「人が寂寥を感じたとき、創作が生まれる。空漠を感じては創作は生まれない。愛するものがもう何もないからだ。創作は、愛に基づく」。
これは松岡教授がもがき苦しんでいた二十歳のころに出会った、中国の小説家・魯迅の言葉。寂寥(せきりょう)とは、心が満ち足りない様子。空漠(くうばく)とは、漠然として捉えられない様子のこと。教授はこの言葉をずっと大切にしてきたんだって。
人間は失敗したり失望したり、「寂寥」となることがあるけど、そういうときこそきっと心の奥に未来への期待をいだいているんじゃないかな。だからこそ、創作が生まれるんだって。もしも心が虚しく孤独で、愛がなければ、創作は生まれない。枯渇してしまうんだ。そう考えると、失敗することも悪くない、のかもしれないね。
