愛は、美意識を変える?

松岡教授のひとりごと。「愛は、美意識を変える…?」

紅葉の並木道
パリ郊外の小路。

 

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コロニアル建築に想う

この間、ベトナム、ホーチミンを旅した松岡教授。バイクが行き交うパワフルな街には、19~20世紀のフランス統治時代に建設されたコロニアル様式の建築が数多く残っているんだって。コロニアルというのは、“植民地の”という意味だけれど、本国の建築物を基にしたデザインに現地の風土や文化が融合して、独自の美しさをもたらしているそうだよ。この様式名、植民地にした側が付けたんだろうけど、どんな気持ちで付けたのかなぁ。

ベトナムのコロニアル建築
パリのオルセー美術館をモデルにしたと言われている、サイゴン中央郵便局。

教授はコロニアル様式を観ると、いつも感じることがあるんだ。それは、代替材料として用いられてきたプラスチック製品と同じ匂い。特に、台所用品やお風呂用品のような、プラスチック製の日用品と似た匂い。それらの製品も、すでに代替材料品ではなく、独自の魅力を獲得しているからなんだ。コロニアル様式にも、プラスチック製品にも、「日常の安らぎ」を感じるんだって。そして、どこかかすかに「未来への期待」さえも感じるなぁって、教授は言ってたよ。

カンツォーネの余韻

チンクェッティジリオラ
カンツォーネの妖精、ジリオラ・チンクェッティ。

中学時代、イタリアのカンツォーネが大好きだったという松岡教授。県内にもほとんど会員がいなかった日本カンツォーネクラブにも入っていたんだって。当時、友達はみんなビートルズやローリングストーンズなどロックに夢中になってたというのに、カンツォーネって! 変わった中学生だよね~。

昨年だったか、カンツォーネの大御所が20数年ぶりに来日というので、教授はうきうきしてコンサートに行ったんだ。歌も美しさも健在で、とにかく素晴らしかった~!って大興奮してたよ。教授は「感動」にはいくつか種類があるって分析しているけれど、その対象(出来事)に出会うまでの文脈(経緯)が大きく関与している「コンテクスト型感動」って、正にこのことかもしれないね。記憶とつながると、感動って一層増すのかもしれないなぁ。

 

『プラスチックの逆襲』~デザイン塾こぼれ話

最近話題になっている、プラスチックのゴミ問題。直径5ミリ以下の微小なマイクロプラスチックが海洋生物の体内に取り込まれ、環境問題、健康問題を引き起こしているという話。そもそもプラスチックは、人間が生み出した人工材料。安価で軽量、思い通りに成形できて実用的と、日常生活のあらゆる製品に活用されてきた。そのわりに「大切」には扱われず、むしろ木材や金属の単なる代替材料として扱われ、ぞんざいに使い捨てにされてきたんだ。それが回りまわって環境汚染を引き起こすなんて、まさに『プラスチックの逆襲』っていえるかもしれないね。

でも、プラスチックには、独自の魅力があるんじゃないか。もっと評価されてもいいんじゃないかなぁって松岡教授は考える。たとえば近年、漆のようにつややかで上質な製品や、3Dプリンタによる美しい造形品が誕生してるんだって。旧来のマットなテクスチャーをもつオールドプラスチックも、ノスタルジックで素敵♡と、再評価が進んでいるみたいだよ。きっと今こそ、悪者になってしまったプラスチックの真価を再認識するときなのかもしれないね。もっと大事に使っていけたらいいなぁ。

IMG_0519プラスチックの逆襲
ラスベガスのホテル・ベラージオのロビー。

Swing♪ Swing♪  JAZZ!

「カッコいい!」

日々忙殺されてると、いつしかこの言葉を忘れてしまっている気がする、って松岡教授はいうんだ。でも、jazzを聴きに行くと思い出すことができる。いや、むしろ「カッコいい!」を思い出すために、ライブハウスに行くのかもしれないなって言ってたよ。もう10年前だったか、トロンボーンの名奏者の方と話したとき、会話のなかで相手が何度も「カッコいい」を口にしていて、教授はハッとしたんだ。20代、30代にモノづくりだけに没頭してきて、すっかりその言葉を忘れていたような気がして。

思い返せば20歳のころ、jazzに救われたこともあったなぁ。そして、今もそうかもしれないな、って教授はしみじみ話していたよ。いつも、jazzは「惑い」からそっと目を覚ませてくれてるんだって。秋の夜長、みんなもjazzを聞いてみるのもいいんじゃないかな。

IMG_1584 ジャズ
上海のOld Jazz Band.

Whatを考える。そして、そのためにWhyをみつめる~デザイン塾こぼれ話

昼寝ばかりしている僕たち猫には、とても真似できないけど。日本人の勤勉なところってすごいなぁ。モノをつくるときも、いかに早くつくるか、安く、大量につくれるか…つまり、「how/どうやって」つくるかっていう観点から、社会全体で製造技術の開発に取り組んできたみたいだね。

でも、効率とか利益ばかりを追求していくと、モノづくりに限界が見えてくる。製造技術の開発だけでは、複雑に変化していくこれからの社会に対応していくのは、難しいんじゃないかなぁ。なにか新しいやり方、新しい視点が必要なんじゃないかって、松岡教授は考えるんだ。

そこで、これからのモノづくりには「what/何を」つくるかっていうことから考えてみることが問われているんじゃないか。そして、そのために、「why/なぜ」をみつめることが大事なんじゃないかなって松岡教授は言ってたよ。どうしてそのモノをつくりたいのか、どんな「場」で使いたいのか、そして、そのモノを使うためにどんな新しい「場」をつくりたいのか?…自分の発想や希望、想いの原点に立ち返ってみたら、モノづくりの景色が変わるのかもしれないね。

IMG_1633ラスキンの道具
19世紀イギリスの評論家・ラスキンが使った道具たち。

道具を感じさせる? 感じさせない?~デザイン塾こぼれ話

僕たちの身の回りには、たくさんのモノがある。どんなデザインがいいんだろう。使いやすさ、見た目の美しさ、手ざわり、耐久性…。松岡教授はデザインを考えるとき、いろんな要素を考えるんだって。

ペンひとつにしてもいろいろあるよね。パッと目を引く、インパクトのあるデザイン。華やかな色づかいとか、ポップで個性的とか。そういう「道具を感じさせる」道具っていうのって、カッコいいし、オシャレだよね。

その一方で、ユーザーが意識しないで、使える道具。存在を主張しないで、さりげなく日常に溶け込んでくれるモノ。シンプルで趣味がいい。そういう「道具を感じさせない」道具もまた、素敵だなぁと思う。

ハレとケっていうのかな。道具だけじゃなくて、洋服やインテリア、いろいろなものにもいえるね。その両方の良さを伝えていけたらいいなと教授は思ってるんだ。自分の趣味にこだわらずに、いろんな方向から、考えてみるといいかもしれないね。

IMG_1034人形浄瑠璃
徳島の人形浄瑠璃。