凪(なぎ)の海

凪(なぎ)。風がやみ、海がおだやかになること。

弓削島、インランド・シー・リゾート フェスパ近く。

船を乗り継いで、瀬戸内海の小さな島へと旅した松岡教授。ゆったりとした静かな海が、さっきまで喧騒の中にいた自分を「そうカリカリしなさんな」って、優しく叱ってくれた気がしたんだって…。師走の忙しさに流されないで、心は「凪」でいきたいよね。さぁて、僕は炬燵でひと眠りしようっと。

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「無表情」が映すもの

先日、沖縄で琉球舞踊を見た松岡教授。もともとは国賓をもてなすための宮廷舞踊、あでやかな紅型(びんがた)の衣装に身を包んだ踊り手たちがゆっくりと流麗に舞うんだ。しかも、無表情で、頬をぴくりとも動かさずに…それがまた、神秘性を増しているんだって。

「無表情だからこそ、踊り手のわずかな表情の変化をかえって必死で探しちゃうんだよね」。教授はそんなことつぶやいてたよ。これって、能面に自分の感情を反映させることにつながっているのかなぁ?

琉球舞踊
沖縄・読谷村にて。

小路を歩けば

マロニエの葉が色づき始めた、静かな小路。こんな日は、ふと、心のなかの「思い出箱」がふたを開けるんだ…

ランスの小路
フランス、シャンパーニュ地方の小路。

散歩してると、忘れていた思い出がよみがえる。思いもかけないアイデアがうかぶ。そんなことって、あるよね?

大聖堂に感じる、タイムアクシスデザイン~デザイン塾こぼれ話

アーヘン大聖堂の天井
荘厳な聖堂の天井。カール大帝が埋葬されていることから「皇帝の大聖堂」とも呼ばれている。

ドイツ、アーヘンの大聖堂を訪れた松岡教授。金を散りばめたモザイクの天井や、荘厳なガラスの礼拝堂の美しさに心を奪われたんだって。北部ヨーロッパ最古のこの聖堂、8世紀に建設が始まり、1千年以上を経て今の意匠になったそうだよ。そのため、古典主義、ビザンチン、ゲルマン様式、ドイツロマネスクなど、複数の建築様式が見受けられるんだって。社会情勢や価値観の変動に製品が適合し続ける、そして新たな価値を成長させていく…、これもタイムアクシスデザインの在り方のひとつっていえるのかもしれないね。教授はそうつぶやいてたよ。

コロニアル建築に想う

この間、ベトナム、ホーチミンを旅した松岡教授。バイクが行き交うパワフルな街には、19~20世紀のフランス統治時代に建設されたコロニアル様式の建築が数多く残っているんだって。コロニアルというのは、“植民地の”という意味だけれど、本国の建築物を基にしたデザインに現地の風土や文化が融合して、独自の美しさをもたらしているそうだよ。この様式名、植民地にした側が付けたんだろうけど、どんな気持ちで付けたのかなぁ。

ベトナムのコロニアル建築
パリのオルセー美術館をモデルにしたと言われている、サイゴン中央郵便局。

教授はコロニアル様式を観ると、いつも感じることがあるんだ。それは、代替材料として用いられてきたプラスチック製品と同じ匂い。特に、台所用品やお風呂用品のような、プラスチック製の日用品と似た匂い。それらの製品も、すでに代替材料品ではなく、独自の魅力を獲得しているからなんだ。コロニアル様式にも、プラスチック製品にも、「日常の安らぎ」を感じるんだって。そして、どこかかすかに「未来への期待」さえも感じるなぁって、教授は言ってたよ。